
~「エミリー、パリへ行く」のシルヴィーを演じるフランス女優~
Netflix の人気ドラマ『エミリー、パリへ行く』で、主人公エミリーの上司シルヴィー役を演じ、世界的に注目を集めている女優がフィリピーヌ・ルロワ=ボーリューです。
クールで知的、でもどこか人間味あふれる役どころが魅力的で、ドラマを観た人の心に強く残っているのではないでしょうか。
今回はそんな彼女の「生い立ち」と「学歴」にフォーカスして、女優としての歩みをわかりやすくご紹介していきます。
幼少期と家族のこと
フィリピーヌ・ルロワ=ボーリューは 1963年4月25日生まれ。生まれはフランス・パリ郊外のブローニュ=ビヤンクールという街です。
ただ、小さな頃からずっとフランスにいたわけではありません。
お父さんはフランスの俳優フィリップ・ルロワ、お母さんは元モデルのフランソワーズ・ローランという芸術肌の家庭に生まれた彼女。
父の仕事の関係もあって、幼少期はローマで過ごすことが多く、イタリアの文化や言語に触れて育ちました。
そんな環境ですから、自然と芸術や表現に親しむ生活だったことが想像できます。
お父さんの俳優としての姿を間近で見ていましたし、お母さんのファッションへの感性も、後に彼女の雰囲気に影響を与えたのではないでしょうか。
ただし両親は彼女が10歳前後のときに離婚。
幼心にいろいろな思いを抱えながらも、異文化の中で感受性を豊かに育んでいったようです。
学歴と演技への道
では、女優として名を馳せるまでにどんな学びを経てきたのでしょうか。
ソルボンヌ大学での学び
高校を卒業した後、彼女はまず ソルボンヌ大学に進み、フランス文学を学びました。
文学作品に深く触れた経験は、後に役柄を理解するときや、脚本を読み込むときに大きな力となったそうです。
「文学は人間を知るための宝庫」だとよく言われますが、まさにその教養が、彼女の演技に奥行きを与えているのだと思います。
Cours Florent(クール・フロラン)で演技を学ぶ
文学を学ぶうちに、より直接的に“表現する”ことへの情熱が高まり、進路を演劇にシフト。
パリの名門演劇学校 Cours Florent(クール・フロラン)に入学します。
ここは多くの有名俳優を輩出してきた名門校で、発声、演技、舞台芸術など基礎からしっかり学べる場です。
彼女は16歳でパリに移り住み、家族の反対を押し切って女優への道を歩み出しました。
特にお父さんは「自分と同じ俳優の道は険しいからやめてほしい」と反対していたそうですが、フィリピーヌは意志を貫きます。
この自立心こそ、彼女の人生を象徴するエピソードと言えるでしょう。
女優としてのスタート
演劇学校での経験を積み、1983年に映画『Surprise Party』でスクリーンデビューを果たします。
その2年後、1985年に出演した『Three Men and a Cradle(邦題:ベビーシッターズ)』で母親役を演じ、一躍注目を集めました。
この作品でフランス映画界の権威ある セザール賞新人女優賞 にノミネートされ、若手女優として大きく羽ばたくきっかけとなったのです。
国際的な活躍と「エミリー、パリへ行く」

その後もフランス映画やテレビで数々の役をこなし、キャリアを重ねていきました。
長年ヨーロッパを中心に活躍してきた彼女ですが、世界的に広く知られるようになったのはやはり Netflix の『エミリー、パリへ行く』。シルヴィー役は、冷静沈着で洗練されつつも、人間的な弱さやユーモアも見せる魅力的な女性像でした。
「強さと繊細さの同居」――それは彼女自身の人生経験や学びの積み重ねから自然ににじみ出ているものなのでしょう。
生い立ちと学歴がもたらしたもの
ここまでを振り返ると、フィリピーヌのキャリアを形づくった大きな要素は、やはり「多文化環境で育った幼少期」と「文学と演劇を通じた学び」だとわかります。
ローマでの子ども時代が、自由で豊かな感受性を育んだ ソルボンヌ大学での文学の学びが、人物理解の深さにつながった クール・フロランでの実践的な演技教育が、役者としての土台を築いた 親の反対を乗り越えて進んだ自立心が、人生にも役柄にも強さを与えた
こうした背景があるからこそ、彼女が演じる役はどこかリアルで説得力があるのでしょう。
まとめ
フィリピーヌ・ルロワ=ボーリューは、芸術一家に生まれ、異国の文化に触れながら育ち、文学と演劇を学んで女優への道を切り開きました。
『エミリー、パリへ行く』での存在感ある演技は、決して一朝一夕で生まれたものではなく、彼女の生い立ちと学歴、そして自分の信念を貫く生き方そのものの表れです。
筆者は自然体で生きているフランス女性が大好きで、年齢による皺などを隠さない潔さが大好きです。
今後も彼女がどんな作品でどんな女性像を見せてくれるのか、とても楽しみですね。


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