“あんべちゃん”の裏側 — 片桐はいりという生き物

芸能

はじめに

NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』にゲスト出演するなど、最近また注目を浴びている片桐はいり。

あの“あんべちゃん”という愛称でも親しまれる彼女だが、その背景には深みと意外性が詰まっている。

本記事では、生い立ちから家族、学歴、女優としての道のり、そして『チコちゃんに叱られる!』出演と重なる彼女の今を、なるべく立体的に紹介したい。

生年月日・年齢・基本プロフィール

本名:片桐 由美(かたぎり ゆみ) 

芸名:片桐 はいり(はいりは、アニメ『アルプスの少女ハイジ』の「ハイジ」にちなんで命名したという説)

生年月日:1963年1月18日 

年齢:2025年時点で62歳 

出身地:東京都大田区 

身長・血液型:身長 172cm、血液型 B型 

所属事務所:スターダストプロモーション 

生い立ちと家族構成

片桐はいりは、東京都大田区で育った。

両親はすでに他界しており、父親はがんによって数年の闘病の末に亡くなったという。

母親も健康を壊してから亡くなったと伝えられている。

母親からは幼い頃、

「自分で食べられるようになりなさい。1人で生きていけよ」

と言われて育ったというエピソードがあり、強さを促す言葉が彼女の成長に影響を与えたと語っている。

また、弟がおり、なんとグアテマラ在住でスペイン語学校を経営しているという情報もある。

母親の介護を11年にわたって自ら担った経験もあるとの報道もあり、家庭内での責任感・献身性が、彼女の人間像を形づくった一端だろう。

父の最期の言葉が、

「隣の部屋でみんなご飯食べてるから、早く行きなさい」

だったというエピソードは、人をもてなすことへの愛情と、家族の温かさを感じさせる言葉として、片桐自身の語りにもよく登場する。

学歴・演劇への道のり

片桐はいりは、小学校から進学過程を東京で過ごしてきた。

小学校:大田区立山王小学校 

中学・高校:香蘭女学校(中学・高等科)卒業 

大学:成蹊大学 文学部 日本文学科卒業 

大学在学中、映画への愛を深めながら、演劇部などを通じて表現への関心を育てていった。

またその頃、銀座の映画館(銀座文化劇場/現シネスイッチ銀座)で“もぎり”のアルバイトをしながら演劇活動も始めていた。

卒業後は、劇団「ブリキの自発団」に所属して舞台活動を本格化させ、やがて映画・テレビへの道も開いていった。

1994年に「ブリキの自発団」を退団した後も、舞台、テレビ、映画、さらには一人芝居など多彩な活動を続けている。

著書『もぎりよ今夜も有難う』において、“もぎり”として働いた経験や映画館への想いを綴り、これがキネマ旬報の読者賞を受賞したこともある。

女優としてのキャリアのハイライト

片桐はいりは、個性派としてジャンルを超えて活躍している。以下、いくつか印象的なポイントを挙げる。

映画『かもめ食堂』(荻上直子監督)への出演で広く知られるようになった。

ドラマでは、NHK連続テレビ小説 『あまちゃん』 において“あんべちゃん”こと安部小百合役を好演し、多くの視聴者の印象に残った。

そのほか『とと姉ちゃん』『ちむどんどん』などNHK作品への出演歴もある。

NHKより

映画・舞台・TVでの役柄は、教師、研究者、おばあさん、コメディ、シリアスな役まで多岐にわたる。

一人芝居にも力を入れており、舞台表現の幅を拡げてきた。

また、女優の傍ら、映画館“もぎり”を続けるなど、「映画への恩返し」を具体的に体現している点でもユニークな存在である。

彼女はまた「ほかの人にはできない役をやりたい」と考え、観察眼を強め、役者として自分自身の個性を研ぎ澄ませてきたという。

『チコちゃんに叱られる!』出演とその意味

2025年10月17日放送のNHK『チコちゃんに叱られる!』には、片桐はいりがゲスト出演する予定であるとの告知が公式にもなされている。

この番組は、チコちゃん(5歳見た目の“知ったか”キャラ)がゲストにさまざまな雑学クイズを出題し、答えられなければ “叱られる” という形式。

番組出演にあたって、片桐はいりは自身のキャリア・生き方の“謎”を語る場を得る可能性が高い。

たとえば

「なぜ女優なのか」

「なぜ今も“もぎり”を続けるのか」

「人生を形づくった言葉は?」

など、視聴者が「叱られる」対象となるような問いに、鋭さとユーモアをもって答えることが期待される。

FRYDAYより もぎりとして働く本人

実際、『チコちゃんに叱られる!』公式情報によれば、今回の出演者リストに「片桐はいり」が名を連ねており、語り部分で彼女自身も関わるような構成が見られる(語り:森田美由紀・片桐はいり)との情報もある。

この出演は、彼女が持つ“語る力”や“個性”を広く見せる機会であり、キャリアのひとつの節目になりうる。

長年、目立ちすぎず、しかし確実に“印象を残す”演技をしてきた片桐にとって、「答えられない問い」にどう向き合うかのリアルな姿にも関心が集まりそうだ。

締めくくりに

片桐はいりは、静かな存在感と独自性を携えつつも、決して表舞台だけを見据えているわけではない。

家族、映画館での“もぎり”経験、語り手としての視線、そして“問い”に向き合うこと—そうした複層的な要素が彼女を「ただの女優以上の存在」にしている。

『チコちゃんに叱られる!』という舞台を通じて、彼女の人間像の輪郭はさらに鮮明になるだろう。

視聴する側としても、耳を澄ませておきたい。次にスクリーンや舞台で出会うとき、その背後にある物語を、きっと感じることができる。

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