
生い立ちと幼少期
水原一平は、1984年12月31日、北海道苫小牧市にて誕生しました。
父・英政(ひでまさ)氏が和食料理人として働いていたことをきっかけに、1991年に一家でアメリカ・ロサンゼルス郡東部へ移住しています。
幼少期はサッカーやバスケットボールに親しみ、カリフォルニア州ダイアモンドバー高校ではサッカー部の控えキーパーとして活動したというエピソードもあります。
日本で育った時間は短く、6歳までが日本、以降は米国で生活したとする報道もあります。
学生時代と語学プロフィール
高校を卒業後、本人の履歴には「2007年にカリフォルニア大学リバーサイド校を卒業した」と記載されていますが、同大学側が「そのような履修・卒業記録は確認できない」と表明しています。
語学力については、日英どちらにも通じるバイリンガルとして成長し、アメリカと日本の文化・言語環境を背景に、「通訳+選手サポート」というキャリアを構築していきました。
プロとしての歩みと出会い
通訳としてプロ野球界に入った端緒は、2013年に北海道日本ハムファイターズ(日本ハム)に通訳として入団していた際。
そこで、同期入団だった大谷翔平選手と出会います。
大谷選手が2018年にメジャーリーグへ移籍した際には、ロサンゼルス・エンゼルスが大谷選手の専属通訳として水原を起用。
その後も「言葉の橋渡し」以上の存在として、大谷選手のクラブハウス内外のサポートに深く携わってきました。
2人の関係は単なる選手と通訳という枠を超え、「二人三脚」で大谷選手の“二刀流”の挑戦を支えてきたとされています。
家族構成・私生活
公に確認できる範囲では、父・英政氏が日本料理の料理人という情報があります。
母親や兄弟に関する詳細な情報は限られていますが、「一人っ子だった」という報道もあります。
私生活では、2018年に結婚したという記録があります。
妻の名前は“ナオミ”とされており、彼女は夫・水原の仕事を側面から支えていたことが法廷資料などで明らかになっています。
例えば、彼女は大谷選手の犬の世話をしたり、選手のネイルが折れた際に手入れを手伝ったりと、通訳職を超えたサポートにも関わっていたと報じられています。
一方で、妻はグリーンカード取得が2023年まで下りず渡米滞在が困難であったり、ビザの関係や家族の事情で長期間離れて生活したりしたため、ストレスから聴力低下や脱毛症(アロペシア)を発症したとされます。
このように、家族としても大きな負荷を抱えていたことが、後の事態に影響していたのではという報道があります。
出会いから黄金期へ:大谷選手との“二人三脚”

大谷選手と水原氏の関係は、表向きには選手と通訳という関係ですが、実質的には互いの信頼の上に築かれたものです。
クラブハウス、ホテル、練習場といつも一緒に行動し、大谷選手のスケジュール管理・言葉のサポート・さらにはブルペン練習におけるキャッチャー代役まで務めたこともありました。
このような役割がファン・メディアからも注目を浴び、「大谷選手の影の立役者」「常に隣にいる存在」として人気を博しました。
賭博事件――転落の始まり
しかしながら、その絆が深くなるほど、裏で起きていた暗部もまた大きく動き出していました。
2024年3月、米国で水原氏が通訳という立場を超えて、違法なスポーツ賭博及び資金横領の疑いを受けていることが報じられ、関係者・ファン双方に衝撃が走りました。
調査によると、2021年から2024年にかけて少なくとも1万9千回以上の賭けを行っており、総額で3億ドル(日本円で数十億円)に上る賭けをしていた可能性が指摘されています。
さらに、大谷選手の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)以上が違法ブックメーカーに送金されていたという報道も。
2024年2月、米連邦裁判所において水原氏は約1,700万ドル(約25億円)相当の資金を大谷選手の口座から不正に転送したと認定され、有罪判決を受けることとなりました。
判決・現在の状況
2025年2月6日、米国裁判所は水原一平氏に対し、銀行詐欺および脱税の罪で懲役4年9か月(57か月)の実刑判決を言い渡しました。
さらに、被害者である大谷選手に対しても、1,700万ドル相当の返済命令が出されています。
この事件は、ただの通訳の“金銭トラブル”にとどまらず、プロスポーツ界における信頼関係の問題、選手を取り巻く“サポートスタッフ”の役割・責任が改めて問われる契機となりました。
最後に
通訳という「脇役」の立場から、世界的スターである大谷選手の“片腕”として注目を集めた水原一平氏。
しかし、その肩書きを超えて築いた信頼関係と日々のサポートの裏で、賭博という深い闇に飲み込まれていった現実が明らかになりました。
彼の年齢は現在、40歳前後(1984年生まれのため)で、まだ人生の折り返し点とも言える時期にあります。
だが今、彼が支払わなければならない代償はあまりにも大きく、今後彼がどのように再起を図るのか、その行方は多くの人の関心を集めています。
このブログ記事が、水原一平氏という人物の栄光と転落、そしてそこから私たちが学ぶべきことを整理する一助になれば幸いです。


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